5巻 第35話 妊娠騒動
第三十四話 妊娠騒動
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ある日、X華が通う高校の同級生の中でスクールカースト最上位に位置するグループが最下層に属する私にいきなり話しかけてきた。
「ねえ、バイト先から妊娠検査薬持ってきてくれない?」
「え?」
X華が高校生だった1997年当時はコギャル全盛の頃で、このグループは男子に最も人気があった。
3人はいつも一緒で彼氏とアムロちゃんの話をしていた。
(注 アムロちゃん=安室奈美恵さん。ティーンエイジャーに絶大な人気を誇っていたファッションリーダーでもある)
グループのリーダー格の久田七奈ちゃんはどこにいても目立つ存在だった。
当時私なんかとは接点がなかったのだが・・・その最上位がX華に話しかけてきたのだ。
「そんなのムリムリ、バレたらクビどころじゃないし」
(何アイツ、つかえねー)
七奈の仲間が後ろでひそひそとX華の悪口を言っている。
いきなり話しかけられたと思ったらとても聞けないお願いで、断るとディスられるX華・・・
しかしそれでもX華に頼らざるを得ない七奈は続けた。
「実はさー私たち、3か月前から生理がきてなくてさー」
「え?三人とも三か月前から?」
全員同じタイミングで生理が止まってしまったらしい。
「それってただの生理不順じゃないの?」
「私たちも最初そう思っていたんだけど・・・先週から吐き気もきて・・・」
あとの二人も微熱や胸のハリが出ているという。
(それって妊娠したときの症状じゃん・・・)
「だったら妊娠検査薬じゃなくて早く産科に行って調べてもらった方がいいよ」
X華の提案は至極まっとうなのだが、若くてまだ恥じらいのある三人には通じない。
「それがイヤだから頼んでるんだよ!」
「産婦人科だけはイヤ!」
「ぜったいありえない!」
「な・・・なんで・・・?」
「だって産科に入るところ見られたらどーすんの?」
「それに産科の医者っていやらしいって聞くし、あそこ見られたり変な器具突っ込まれたくない」
「医者ってうちらみたいなのがきたら説教するじゃん」
「そんなの偏見だって」
X華は当然そんなことはないとわかっているのだが、無知な三人には通じない。
「とにかくイヤ!」
の一点張りだった。
それでも望まない妊娠がどうなるか目の当たりにしてきたX華はほうっておくわけにもいかず、三人の代わりに検査薬を店で買ってくることを了承したのだった。
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