5巻第31話 病院前の赤い車
第三十一話 病院前の赤い車
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XXクリニックの前に長時間停まっている車は病院に中絶をしにきた女性を待っている男の車だということが多かった。
その中で特に赤い車は看護師たちの間で有名な車だった。
「アイツ・・・またきてる」
同僚が冷めた目で駐車場を見ている。
その赤い車は健診と中絶日にしか現れないらしく、1年ほど前から定期的に駐車場に停まっているとのことだった。
健診だけなら何度来ようが気にも留めなかっただろう。
「毎回女の子が違うのよねー」
「そうなんですか」
そこが問題なのである。
「今年は3回目じゃない?」
「え、1年で3回もですか?」
「うちの病院は待合室に男だけずっと座っていると妊婦さんが嫌がるから外で待ってもらっているんだけど」
「外で待つだけマシだと思うけど、あんなにとっかえひっかえしてロクな人間じゃないよ」
(そんな男と知らずに付き合ったんだろうな
・・・何回も中絶させるなんて)
X華はいつものように中絶した胎児をケースに入れ、童謡を歌って聴かせながら専用の箱に入れ蓋をする。
1体につき5分とかからない。
それを専門の業者に引き渡す。
「すみませーん、今日ありますかー」
(あれ?いつもの人じゃない)
やってきた業者の男は新顔だった。
「今日から竹田さんに代わってこちらを担当することになりました浅野ゆうひと言います。」
若くてさわやかな笑顔の男性だった。
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