4巻第24話 老助産師とトラウベ
第二十四話 この子、誰の子?
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X華は准看護科がある女子高に通っていた。
いつもの登校途中。
「ちょっとアンタ!!」
「また短いスカートはいて!!
腰を冷やしちゃイカン!!」
通学途中にいつも生徒に怒鳴っているおばあさんがいた。
「毎日おなじことばっか言ってよくあきないね」
「前、私がカレシと一緒に帰っていた時も・・・
「不純異性交遊するな」って怒ってさー」
女子生徒たちはこぞってヒソヒソとおばあさんのことを噂していた。
「カレシはドン引きしてるし、私、恥ずかしくてマジで死にそうになったよ」
(すげー)
(若い子がキライなおばあさんなのかな。
それにしてもあの年でよくあんなにどなれるもんだよなー)
道行く別の女子生徒にも怒鳴りつけているおばあさんを見ながらX華はあきれ半分、感心半分だった。
そのおばあさんは鍋谷サチさん(77歳)で、女子高のそばの家に一人で住んでいた。
「パンツが出てる」
「化粧するなー」
「足を出すな」
みんなから「鍋バー」と呼ばれる名物婆さんだった。
「えー?鍋バーまだ生きてたんだ?」
X華が高校生でバイトをしていたXXクリニックで鍋バーの話題が出たとき、クリニックの看護師は鍋バーを知っていた。
「小沢さん知ってるんですか?」
「子供の頃鍋バーの家の近くに住んでたのよ。
中学入ってからよくうるさく言われてさー」
(小沢さんが26歳だから10年以上前から注意してるんだ・・・)
「鍋谷さんのこと?あの人、元助産師なのよ」
そこにはいっきたベテラン看護師もまた鍋バーを知っていた。
「え!師長さんも知ってるんですか?」
鍋バーの意外な知名度に驚くX華。
「そりゃ私が学生の時実習でお世話になったんだから。
「あんたらも妊婦の家で子供を取り上げるかもしれないからちゃんと見とけ」ってね」
「鍋バーって昔から怖い人だったんですね」
「怖いっていうより助産師と病院の先生は道具とか方針が違うことがあるから。
「うちらのやり方はこうだ」って言い合いしたりね」
「そうなんですか〜」
「確かに昔は助産師さんにお世話になることが多かったですよね。」
「当時は近所に大きな病院もないし家で生むしかなかったからね。」
「ああ見えて鍋谷さんは「ゴッドハンド」で有名だったのよ。」
「ゴッドハンド!?」
「現役時代お産で一度も死産がなかったんだって」
X華はその後、鍋バーの話を聞く機会に恵まれることになる。
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