4巻第23話 床下の子
第二十三話 床下の子
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今回のお話はX華がクリニックでバイトをするずっと以前のこと。
X華には子供のころに出会った忘れられない「透明な子」がいました。
その子は自分の家に入れてもらえず、ずっと床下に住んでいる男の子でした。
「X華ちゃん、おいでよ」
その男の子は家の床下に住んでいました。
X華はその子の名前を知らず、聞くこともなくなぜか「つっちー」と呼んでいました。
どうしてかというといつも土まみれだったから、それといつも空き地でツチノコを探していたから。
(どこの子だろう、学校で見ないな・・・)
「つっちー見つかりそう!?」
「ここら辺があやしいんだよ」
ツチノコは日本にいるという未確認生物で蛇よりも胴が太くてジャンプしたりすごいスピードで動くといわれていた。
「あっ、穴見っけ!」
「ツチノコの穴?」
「おっ、何かいる!!」
「やったー、引っ張って!」
シャーーーーー
「わっ!青大将(へび)だー」
「つっちー何でツチノコ探してんの?」
「お金もらえるって聞いたから」
1986年当時、TV番組の企画でツチノコを見つけると100万円もらえるという企画があった。
「ツチノコ見つけたらそのお金でブラジルに行くんだ」
「いいなー私も行ってみたいな」
「じゃ、一緒に行こうよ」
当時のX華はいじめられれていて一人でいることが多く、つっちーと一緒にいるのは楽しかった。
つっちーの家にはお母さんがいなくてお父さんが雀荘を経営していた。
しかし経営状態は悪く、店では客との喧嘩が絶えず、いつも物騒な音が響いていた。
X華はつっちーに誘われて床下に入った。
床下はすごく低くて仰向けに寝る高さしかなかった。
横に寝そべると柱の隙間から光がもれる。
すると土埃が光に反射してとても幻想的な世界になった。
雀荘の音も聞こえず不思議とやすらぐ場所だった。
「よい処だけどずっとここにいて怒られないの?」
「こっちの方が怒られないんだよ。
俺が家に入ってるのお父さんに見つかったらずっとけってくるからな」
つっちーの兄弟は普通に生活していたみたいだが、なぜかつっちーだけお父さんに面倒を見てもらえてなかったのだ。
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