3巻16話 妊娠中毒症 あらすじ
第十六話 妊娠中毒症
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―――私が妊娠したと伝えたとき、お義母さんは涙を流して喜んでくれた。
農作業中の義母にそれを伝えたとき、義母は全身で喜びを表していた。
不妊治療の果ての妊娠、こんな幸せを感じたのは久しぶり。
妊娠は家族全体の喜びなのね。
元気な赤ちゃんを産まなきゃ、お義母さんのためにも―――
それが自身に大変なプレッシャーを与えるとも知らずに。
妊娠8か月の平井藍子さん(23歳)と義母のあつ子さん(60歳)は仲良し家族として評判で、いつも二人で一緒に検診にきていた。
「平井さんこちらどーぞ」
「はーい」
診察室に入っていく藍子の後姿を見かけたX華はなんとなく気になった。
(・・・藍子さん、あんなにふっくらしてたっけ・・・)
「あっ、藍子さんの検尿を見なきゃ。え―と・・・」
「あれ?」
(たん白出ちゃってる・・・2に近い1ってところかな)
「先月の血圧が110/60、尿たん白ゼロが、今月は血圧138/90 たん白+になってますね。体重も5キロ増えてる・・・」
「軽い妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群)になってますね。」
「そうですか・・・」
妊娠中毒症になる原因ははっきりとはわかっていないが糖尿病、高血圧、腎臓病の人や痩せすぎ、太りすぎの人、大体妊娠後期に起こりやすい症状なのだ。
「食べづわりはまだ続いていますか?」
「今は落ち着いてきました・・・」
疲労やストレスが溜まっている人、妊娠に上手く対応できない人が成りやすいと言われている。
「食事はカロリー制限したりしていますか?」
「・・・いえ、痩せているほうだったので・・・」
「すみません・・・」
「今日はお義母さんも来院されているんですよね」
そう言って診察室に義母も呼ばれた。
先生は義母に生活管理の事を説明し、義母も「必ず元気な赤ちゃんを産ませてみせます」と意気揚々と帰っていった。
しかし藍子は妊娠がわかった時とは打って変わってどんどん気持ちが沈んでいくのがわかった。
その気持ちがどこからきているのか、その時の藍子にはわからなかったのだった。
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