1巻第1話 命のかけら

第1巻1話 命のかけら あらすじ

第一話 命のかけら

 

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1997年の夏休み、准看護学科3年生のX華(ばっか)はとある産婦人科クリニックでバイトをすることになりました。

 

まだ看護師の資格がないので医療行為はせず、雑用や介助が主な仕事です。

 

戴帽式も済んでいないのでナースキャップではなく三角巾を被っています。

 

「手空いてる? 今すぐこっちきて!」

 

まだバイトにきて3日目、アウスで貧血を起こした患者の介護に行ってしまった看護師の代わりに医者の介助に呼ばれたX華。

 

処置室に入る準備をしながら「X華ちゃん、90年代の日本の3大死亡原因って知ってる〜?」

 

こんな先生の投げかけに有名な病名を並べたX華でしたが

 

「教科書だったら正解だけどね」

 

「本当の第一位はアウス(人工妊娠中絶)だから」

 

今処置室に入ったのはまさにそのアウスの処置のためです。

 

そしてX華が持って入ったのは排出させた胎児の体を置く器と小さなケースです。

 

たった10分ほどのオペに何時間もかかったかのうよな感覚に陥るX華でしたが処置中ずっと医者の指示に従って仕事をこなします。

 

やがて処置の終わった後の会話を聞きながらX華は医者から手渡された器を持ってそっと処置室から出ていきました。

 

(もう一つの私の仕事は 命だったカケラを集める事だった)

 

X華は器から"命のカケラ"をピンセットでつまみ、小さな透明のケースを開けてそこに納めます。

 

(9週はみんな女の子だけど、あの人男がいいって言ってたな・・・)

 

処置室の会話を思い出しながら書類の男欄に○印を入れ、今日処置した三体を胞衣(えな)会社からの担当者に渡します。

 

(この世に出てきて「おめでとう」って言ってもらえない子がこんなにいるなんて思わなかった)

 

翌日、始めて出産の瞬間に立ち会い感動するX華。

 

その祝福され生まれてくる命と、密かに業者に渡され火葬される消えた命の重さを噛みしめながらX華はバイトを続けることにしました。

 

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